経営

オーナー社長が抱える経営のモヤモヤを晴らす方法⑦進捗管理と予実管理で目標達成度を高める

経営のモヤモヤを晴らすためには、課題や目標を書き出して設定するだけではなく、進捗と予実を管理することが必要です。本稿では、進捗管理と予実管理の重要性とメリット、方法とツール、ポイントと注意点、効果と評価について解説します。

進捗管理と予実管理の重要性とメリット

オーナー社長として、経営のモヤモヤを晴らすためには、自分のビジョンや目標を明確にし、それに沿って事業を推進することが必要です。しかし、目標だけを設定しても、それが実現されるかどうかはわかりません。そこで、進捗管理と予実管理が重要になります。

進捗管理とは、目標に向かってどれだけ進んでいるかを定期的に確認し、必要に応じて計画や方針を修正することです。予実管理とは、予定した計画や予算と実際の結果との差異を分析し、原因や改善策を見つけることです。

進捗管理と予実管理のメリットには、以下が挙げられます。

進捗管理と予実管理のメリット①:
目標達成の確率を高めることができます。進捗管理と予実管理を行うことで、目標に対する現状を把握し、問題や課題を早期に発見し、対策を講じることができるでしょう。また、目標に近づいていることを確認することで、モチベーションを維持することもできます。

進捗管理と予実管理のメリット②:
経営の効率と効果を向上させることができます。進捗管理と予実管理を行うことで、無駄やムダを排除し、資源や時間を最適に配分することができるでしょう。また、経営の成果や貢献度を客観的に評価することで、改善や改革の方向性を見極めることも可能です。

進捗管理と予実管理のメリット③:
組織のコミュニケーションと一体感を強化することができます。進捗管理と予実管理を行うことで、オーナー社長と社員との間に共通の目標や理解を持つことができます。また、進捗や成果を共有し、フィードバックや意見交換を行うことで、組織のコミュニケーションと一体感を高めることも期待できるでしょう。

このように、進捗管理と予実管理は、オーナー社長が経営のモヤモヤを晴らすために欠かせない要素です。次に、進捗管理と予実管理の方法とツールについて見ていきます。

進捗管理と予実管理の方法とツール

進捗管理と予実管理を行うためには、まず、目標を明確に定義することが必要です。目標は、具体的で測定可能で達成可能で関連性があって期限があるものにすることが望ましいでしょう。例えば、「売上を10%増やす」という目標は、具体的で測定可能で関連性があるものですが、達成可能かどうかや期限があるかどうかはわかりません。そこで、「2024年度中に売上を10%増やす」という目標にすると、より具体的になります。

目標を定義したら、次に、目標に対する進捗や実績を管理する方法とツールを選択することが必要です。進捗管理と予実管理の方法とツールは、さまざまなものがありますが、ここでは、代表的なものを紹介します。

KPI(Key Performance Indicator)とダッシュボード:
KPIは目標達成に重要な指標のことで、例えば、売上、利益、顧客満足度、社員満足度などがあります。KPIを定めることで、目標に対する進捗や実績を数値化し、可視化することができます。ダッシュボードとは、KPIをグラフや表などで一覧表示するツールのことで、例えば、ExcelやGoogleスプレッドシートなどがあります。ダッシュボードを使うことで、KPIの変化や傾向を一目で把握することができます。

PDCAサイクルとチェックリスト:
PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4つのステップをくり返すことで、目標達成に向けて改善を行う方法です。PDCAサイクルを回すことで、進捗や実績に対するフィードバックや改善策を定期的に行うことができます。チェックリストは、PDCAサイクルの各ステップにおいて、確認や実施すべき項目をリスト化するツールで、例えば、WordやGoogleドキュメントなどで管理します。チェックリストを使うことで、PDCAサイクルの実行を効率的に行うことができるでしょう。

マイルストーンとガントチャート:
マイルストーンとは、目標達成に向けて、重要な節目や成果物を設定することです。マイルストーンを設定することで、目標に対する進捗や実績を段階的に確認することができます。ガントチャートは、マイルストーンやタスクを時間軸に沿って表現するツールのことで、例えば、Microsoft ProjectやAsanaなどがあります。ガントチャートを使うことで、マイルストーンやタスクのスケジュールや進捗状況を視覚的に管理することができます。

以上のように、進捗管理と予実管理の方法とツールは、目標に応じて適切に選択することが必要です。次に、進捗管理と予実管理のポイントと注意点について見ていきましょう。

進捗管理と予実管理のポイントと注意点

進捗管理と予実管理を行う際には、以下のポイントと注意点を押さえておくことが必要です。

ポイント1:
目標とKPIの整合性を保つこと。目標とKPIは、一致していることが望ましいです。例えば、売上を10%増やすという目標に対して、KPIとして売上だけでなく、利益や顧客満足度も含めると、目標とKPIの間にずれが生じる可能性があります。そこで、目標とKPIは、同じ視点や次元で設定することが重要です。

ポイント2:
進捗や実績を定期的に報告し、共有すること。進捗管理と予実管理は、オーナー社長だけでなく、社員や関係者とも連携することが必要です。そこで、進捗や実績は、定期的に報告し、共有することが重要です。報告や共有の頻度や方法は、事前に決めておくと良いでしょう。また、報告や共有の際には、フィードバックや意見交換を行うことも忘れないでください。

ポイント3:
進捗や実績に対する評価や改善を行うこと。進捗管理と予実管理は、目標達成に向けて、進捗や実績に対する評価や改善を行うことが必要です。そこで、進捗や実績は、客観的に評価し、改善策を考えることが重要です。評価や改善の基準や方法は、事前に決めておくと良いでしょう。また、評価や改善の際には、褒めることや励ますことも忘れないでください。

注意点1:
進捗管理と予実管理を過度に行わないこと。進捗管理と予実管理は、適度に行うことが必要です。過度に行うと、逆に進捗や実績に対するプレッシャーやストレスを生む可能性があります。そこで、進捗管理と予実管理を行う際には、柔軟性や余裕を持つことが重要です。計画や予算は、必要に応じて見直しや修正を行うことができます。また、進捗や実績は、完璧である必要はありません。適切な水準であれば十分です。

注意点2:
進捗管理と予実管理を形骸化させないこと。進捗管理と予実管理は、意味のあるものにすることが必要です。形骸化させると、進捗や実績に対する意識や関心が低下する可能性があります。そこで、進捗管理と予実管理を行う際には、目的や意義を明確にすることが重要です。目標やKPIは、自分や組織にとって価値のあるものにすることができます。また、進捗や実績は、自分や組織にとって成長や貢献のあるものにすることができるでしょう。

このように、進捗管理と予実管理を行う際には、ポイントと注意点を押さえておくことが必要です。最後に、進捗管理と予実管理の効果と評価について見ていきます。

進捗管理と予実管理の効果と評価

進捗管理と予実管理の効果には、以下が挙げられます。

目標達成の効果:
進捗管理と予実管理を行うことで、目標達成の確率を高めることができます。目標達成の効果は、目標と実績の差異や達成率で評価することが可能です。例えば、2024年度中に売上を10%増やすという目標に対して、実際に売上が何%増えたかや、目標に対する達成率が何%だったかで評価することができます。

経営の効果:
進捗管理と予実管理を行うことで、経営の効率と効果を向上させることができるでしょう。経営の効果は、経営の成果や貢献度で評価することができます。例えば、売上を10%増やすという目標に対して、利益やキャッシュフローがどれだけ改善したかや、顧客や社員の満足度がどれだけ向上したかで評価することができます。

組織の効果:
進捗管理と予実管理を行うことで、組織のコミュニケーションと一体感を強化することができます。組織の効果は、組織の活性度や連携度で評価することができるでしょう。例えば、売上を10%増やすという目標に対して、社員の参画や発言がどれだけ増えたかや、部門やチームの協力や協調がどれだけ進んだかで評価することができます。

このように、進捗管理と予実管理の効果は、目標達成の効果、経営の効果、組織の効果の3つに分けて評価することができます。進捗管理と予実管理の効果を評価することで、オーナー社長は、経営のモヤモヤを晴らすだけでなく、経営のやりがいや楽しさを感じることができるでしょう。

次回は、専門家等からどのようにアドバイスをもらい、どのように活かすのが良いかを解説します。

中島 宏明

中島 宏明

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経営者のゴーストライター

2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。

暗号通貨草創期からの投資家仲間を通じて、草創期からの投資家しか知りえない暗号通貨に関する情報を取得している。

現在は複数の企業で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島でアパート開発と運営を行っている。

マイナビニュースで、投資や新時代の働き方をテーマに連載中。

連載一覧 https://news.mynavi.jp/author/12228/

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