先行きの見えにくいVUCAの時代。改めて知っておきたいのが、物事の原理原則や普遍的な真理です。過去の偉人たちや数々の事業・会社を立ち上げ、成功させてきた創業経営者たちの言葉には、そんな原理原則と真理がたくさん含まれています。ベストセラー作家としての顔も持つ江上治の数々の著書のなかから、「江上治が改めて伝えたいメッセージ」として抜粋してお伝えします。
江上治著『運命転換思考 一生かかっても身につけたい5つの「働き方」改革(経済界)』の内容を抜粋、一部編集しております。
運命と宿命の違いとは
「運命」とは、
超自然的な力に支配されて、人の上に訪れるめぐりあわせ。天命によって定められた人の運。今後の成り行き。将来。(大辞林より)
一方の「宿命」とは、
前世から決まっており、人間の力では避けることも変えることもできない運命。(大辞林より)
宿命も、運命のひとつではあるけれど、「避けることも変えることもできない」という点が異なります。宿命はたとえば、人間として日本に生まれたこと、親の住む環境、長女や長女であることです。
一方の運命はどうでしょうか。
こちらも超自然的な力や天命によって決められているの解釈を採れば、宿命とほぼ同じ意味になります。避けることも変えることもできません。
しかしこれでは、意志ではどうにもならない、絶対的な世界になってしまいます。人間の意思で変えられないものなんて、まっぴらです。
しかし運命には「今後の成り行き。将来」という意味もあります。これなら、避けることも変えることもできそうです。
くり返し読み返したいマザー・テレサの言葉
マザー・テレサがつくったとされる有名な言葉に、
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
という言葉があります。運命を変える方法が、ここに示されていたと感じました。
スタートは思考です。思考は言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は性格となり、それはやがて運命につながるのです。
スタートだけでなく、すべてを貫く軸に「思考」があります。思考はその後の現れ方のいずれとも密接にかかわっているということ。これを忘れてはいけません。
あなたの人生も、運命も、あなたの思考の結果。
不幸を招いている思考を手放し、幸福になる思考を意識しましょう。
ポジティブ思考は「順」である
人間でも植物でも、成長する力というものは強いものです。この成長する流れ、成長する力に添い、従うことが、すなわち「順」であり、その思考がポジティブ思考です。
私たちが生きていくうえで、まさに「自然な」思考がポジティブ思考なのです。つねに前向きで、積極的で、肯定的である、ということは、生物としての私たちの成長する世界そのものです。
遺伝子に組み込まれた思考であり、だから「無理がない」のです。