先行きの見えにくいVUCAの時代。改めて知っておきたいのが、物事の原理原則や普遍的な真理です。過去の偉人たちや数々の事業・会社を立ち上げ、成功させてきた創業経営者たちの言葉には、そんな原理原則と真理がたくさん含まれています。ベストセラー作家としての顔も持つ江上治の数々の著書のなかから、「江上治が改めて伝えたいメッセージ」として抜粋してお伝えします。
稼ぐ人の行動習慣を会得する
稼ぐ人の行動習慣を会得できれば、稼ぐ人の価値観が理解できたり、自分の価値観が変わってきたりするものです。
年収1億円を稼ぐ人には年収1億円を稼ぐ人の価値観があり、それを理解しなければ自分で同じ年収を稼ぐことはできません。
しかし、社会人になってから10年、20年、漫然と過ごしてきた人にとって、価値観を大きく変えることは大きな苦痛を伴うでしょう。
とはいえ、遅すぎるスタートはありません。手遅れではないのです。
若い人に比べれば苦痛はあるでしょうが、「行動習慣」を変えることが価値観を変えることに繋がります。
ビジネス書を読んで参考になる行動があったら、セミナーで良い話を聞いたら、1%でもいいから行動してください。
明日から、明後日から、と先延ばしにせず、今すぐに。
30日あれば習慣は変わります。
才能が開花する経緯は地味で平凡なもの
ある分野に突出して詳しかったり、技術があったりすることは、その人が生まれながらに持ち合わせている才能であったり、能力であると思いがちです。
しかし実は、その才能や能力の開花の経緯は至って地味で平凡なもの。
例えば、書く技術が優れている人は最初から書く才能があったわけではなく、平凡に書くことを毎日ひたすら継続してきたからこそ、才を見出したのです。
稲盛和夫著作『生き方』には、「悟りは日々の労働の中にある」と書かれています。
それは仕事における才能・能力だけではなく、子育てやスポーツなどもそうでしょう。
ただひたすらに淡々と取り組み、PDCAを回し、改善を繰り返し、知識・技術を体得していく過程で得られるものがあります。
それは誰にも盗まれることがない、あなたが築いた資産です。
労働にあなたが価値と意味を見出し、仕事を通して成長していくのです。
人間として「まっとうな」生き方を貫く
新卒でゴルフ会員権の会社に入社した若かりし青年だったS社長は、次第にその会社で頭角をあわらし、8割方の顧客を開拓するという凄腕の営業マンとなっていました。
そして次第にS社長は、自分でゴルフ会員権の会社を作ることが次の目標になりました。
凄腕の営業マンが独立のため辞めたい、しかも同業のゴルフ会員権の会社を目指している、となったら会社は当然引き留めるし、もしかすると、会社の顧客をS社長に引き抜かれてしまうかもしれない、という恐れもあったでしょう。
それを考えたS社長は、元の会社の社長と念書を交わすことにしました。
その内容は「今の会社の客と連絡をとらない」。つまり、すべて白紙でやると宣言したのです。
そして約束通り新聞に公告を打ち、企業を訪問し、全くのゼロから全てを作りました。
裏切らずに約束を守った律義さや、正攻法の営業を貫いた愚直さは、生き馬の目を抜くようなセールスの世界では稀有と言っていい作法でしょう。
何より人間としてまことに「まっとうな」と形容するしかない、驚くべきさわやかな生き方。
とてつもなく稼ぐ人は人間として「まっとうな」生き方を貫き、結果的にそれが大きな信頼を生み成功を手にしています。