先行きの見えにくいVUCAの時代。改めて知っておきたいのが、物事の原理原則や普遍的な真理です。過去の偉人たちや数々の事業・会社を立ち上げ、成功させてきた創業経営者たちの言葉には、そんな原理原則と真理がたくさん含まれています。ベストセラー作家としての顔も持つ江上治の数々の著書のなかから、「江上治が改めて伝えたいメッセージ」として抜粋してお伝えします。
江上治著『運命転換思考 一生かかっても身につけたい5つの「働き方」改革(経済界)』の内容を抜粋、一部編集しております。
欠点や失敗談を人に語ろう
うまくいっている人ほど、自分の失敗やマイナス体験を平気で公言しています。
新規ビジネスで失敗したとか、幼いときに出来が悪くて川に放り投げられたとか、あるいは取引先ができずに悩んだとか。
私の友人であるほめ達(一般社団法人日本ほめる達人協会)の西村理事長も、小学校のときに生徒会長に立候補したそうです。「ぼくに票を入れてね」と、友だちに頼みまくったのですが、まったく無視されて、開票したら1票。自分の票だけだったといいます。みごとなくらい、あけっぴろげです。
ベストセラー講座に通った経験でも、著者のなかで活躍している人というのは、ありのままの自分をみんなの前でさらけ出して、それをばねにしている人です。
ところが、うまくいっていない人ほど、そういうマイナスや失敗、欠点を口にしません。いわずに逃げています。隠します。私は、そのような人にいっさいの魅力を感じません。
マイナスや失敗、欠点こそ、人に語るようにしましょう。そこから関係性が生まれ、やがてはあなたのファンになってくれるかもしれません。
自分を知れば知るほど謙虚になる
アースホールディングスの國分社長は、人材を「A・B・C」ランクで分けています。
國分社長はこのなかで、「AランクとCランクの人でなければ経営者にはしない」と、いっています。
Aランクの人は、とびきり仕事ができる人。
間のBランクの人は、国立大学出身などの人たちで、勉強はできる人。
Cランクの人は、あまり勉強はできなかった人ですが、國分社長の言葉を素直に聞いて、受け入れて、自分はこの仕事しかないと考えている人です。学歴もありませんから、これをするしかないと覚悟があります。
「Cランクのような人が大化けする」と、國分社長はいっているのです。
これを、同社の取締役で31歳のときに年収1億円を達成した山下誠司さんにぶつけると、「いや、私自身、Cランクだと思っているんですよ」といいます。
「私は何も才能がないから、この仕事をするしかないんです」
これを聞いたときには私も驚きましたが、すごい人は謙虚なのだということを改めて認識しました。謙虚な人は、こうしてさまざまな教訓を素直に学んでいきます。結果、ますます成長していきますし、ますます運を上げていくのです。
できる人は、自分をよく知っています。
正確に、自分の強み、弱みを押さえること。「足るを知る」とは、そういうことです。
自分をよく知れば、謙虚にならざるを得ません。それがまた、人を惹きつけるのです。