先行きの見えにくいVUCAの時代。改めて知っておきたいのが、物事の原理原則や普遍的な真理です。過去の偉人たちや数々の事業・会社を立ち上げ、成功させてきた創業経営者たちの言葉には、そんな原理原則と真理がたくさん含まれています。ベストセラー作家としての顔も持つ江上治の数々の著書のなかから、「江上治が改めて伝えたいメッセージ」として抜粋してお伝えします。
江上治著『運命転換思考 一生かかっても身につけたい5つの「働き方」改革(経済界)』の内容を抜粋、一部編集しております。
プロは否定語を使わない
「言葉が自分をつくる」といいます。
自分をブランド化し商品価値を高めていくなかで、いちばん注意しなくてはならないのは、マイナスの言葉を使うことです。
「できません」「だって」「だめ」
といった否定語、言い訳、拒否語の使用。これらは、プロであれば使ってはいけません。
うまくいく人は、
「わかりました」「やってみます」
と、チャンスに目を向けます。お客様からなにかご要望やご相談をいただいたとき、チャンスと受け取るか、それとも障害と受け取るか。どちらの人にチャンスは回ってくるのでしょうか?
「プロは、2つの目を持っている」と、あるメンターはいいます。
2つの目とは、「外界を注意深く見る目」と「自分を肩越しから観察する目=客観視」です。
なにか言葉を発するときは、必ず客観視するのです。その言葉を使うことで、自分がどう思われるか、自分がどうブランド化されるか。
なにも考えず、思うがままに言葉を発する人には魅力はありません。人からも信用されません。あなたがプロであれば、常に意識する必要があります。
例えば、取引先や上司に
「自分にはできません」
と言ったら、もう仕事は来ないでしょう。経営者がいつも愚痴をこぼしていたら?社員はどう思うか、取引先はどう思うかを想像しましょう。
自分の言動を常に意識するのがプロです。
常に自責でないと自己肯定感は低いまま
プロは言い訳せず、常に自責です。
「でも」「だって」
「だけど」「私のせいじゃない」
そのように、自分の間違いを素直に認めず、責任逃れしようとする姿勢では、どんな分野でもプロにはなれないでしょう。
時代や環境、状況のせいにしても、そこから成長することも現状から抜け出すこともできません。それはだれの身にも起こり得ることです。そのときどう受け止めるか、どう考えるかでその先が変わり、運命も変わるのです。
私が損害保険会社にいた頃、月1回の営業会議は言い訳のオンパレード大会でした。目標が未達成の人ほど、言い訳ばかりするのです。
「自動車が売れていないから、クルマの保険も売れない」
「キャンペーン予算が他の保険会社よりも少ないから、自社の保険が売れない」
そういった言い訳をする人には、新しいものを創り出す姿勢や人に貢献する姿勢がありません。積極的な考えがないがために、言い訳の言葉を吐く。
常に言い訳をする人は、「自己肯定感が低い人」ともいえます。
自己肯定感が低いと、自分のしたことにも自信を持てません。いざ人の役に立てたとしても、
「いえいえ、そんな、お金なんていただけません」
という言葉が口癖になり、お金を受け取ることもできません。
他責を捨て、常に自責の姿勢を持ち、自己肯定感を高めなければ、人に貢献してお金を受け取ることもできないのです。