白波瀬勝之さんは、ドクター・開業医専門の独立系FPとして活躍されています。なぜドクター・開業医に特化しているのか。なぜ商品販売のコミッションに依存せず、顧客に貢献できるのか。そして、今後尽力していきたい領域とは…。本稿では、江上治が白波瀬勝之さんに行ったインタビューをご紹介します。
交通事故後のリハビリを支えてくれた医療従事者への恩返し
白波瀬 勝之
FP事務所 K’s Wealth Management 代表
1984年4月生まれ。京都府綾部市出身。現在も京都府に在住。
業界10年目の独立系ファイナンシャルプランナー。
2男の父でもある。
(株)リクルート、外資系保険会社、開業医に特化した不動産ベンチャー企業での勤務経験を経て独立。
顧問契約を収益の柱にしながら「顧客本位のFPサービス」を提供する本場米国のファイナンシャルプランナーのあり方に感銘をうけ、2019年、日本初の開業医専門の独立系FPとして活動を開始。
「商品提供を行わないお金のプロ」をコンセプトに、中立の立場で開業医に「資産運用のコンサルティングサービス」と「資産管理の顧問業」を提供している。
資産運用初心者、多忙なドクターでも取り組める資産運用法を伝え、さらに徹底したアフターフォローを行うことで、開業以来、全顧問先の総資産を純増させている。
また、甲南大学にて「お金とキャリアプラン」をテーマにした特別講義を毎年行うなど、金融教育の普及活動にも積極的に参画し、医師会や医療系企業向けの講演活動も多数。
趣味はマラソンで週末に子供達とランニングを楽しむ事。
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江上治(以下、江上)――
白波瀬さんは、ドクター・開業医の方々に特化してサービスを提供されていますが、なにかきっかけがあったのでしょうか?
白波瀬勝之氏(以下、白波瀬氏)――
はい。中学2年生のときに交通事故に遭い、入退院を繰り返していた時期がありました。リハビリはかなり辛いものだったのですが、そんな辛い時期を医療従事者の方々に支えていただいたという感謝の気持ちがずっとあって。すごくお世話になった恩人ですので、恩返しがしたいと。それで、独立するときにドクター・開業医の先生たちに貢献したいと考えました。
江上――
なるほど。そういった経緯があったのですね。私の著書で何度も取り上げさせていただいている、株式会社アースホールディングスの創業者で代表取締役の國分利治社長は、「人のためじゃないとがんばれない」と仰っています。だれを豊かにできるのか、だれに貢献できるのか。独立にあたってそれを考え抜くことは、とても重要ですね。独立系FPになる以前は、どんな仕事をされてきたのでしょうか?
白波瀬氏――
大学卒業後は、リクルート社で営業をしていました。その後、外資系の保険会社でも営業をしていました。保険会社で働いているうちに保険以外の金融商品や、金融商品以外の不動産などにも詳しくなりたいと思い、開業医に特化した収益不動産の会社に転職しました。その会社では幹部として働き、その後35歳で独立して現在に至ります。
お客様の人生に長く深く関わりたいという気持ちが根底にあり、資産やお金の全体を見ることのできる仕事で、お客様を豊かにすることができるのが独立系FPという存在だと思います。現在はドクターの顧問先が30ほどあり、お客様の夢の実現のためにさまざまなソリューションをご提供しています。
コミッションに依存しないフィー型でWin-Winの関係を
江上――
白波瀬さんは、会社員時代も長いと思いますが、営業としてジレンマを感じたことはありましたか?
白波瀬氏――
商品を販売することに縛られてしまい、お客様にベストなソリューションをご提案できないジレンマはずっとありました。そこで、アメリカのFPの研究を行いました。アメリカのFPは、資産管理がビジネスとして成立していて、必ずしも商品を売らない。いわゆるコミッション型ではなくフィー型の報酬体系で、これを日本でも実現したいと感じました。
江上――
日本には顧問料を毎月払うという文化があまりないのですが、営業がコミッションに依存する構造を変えないといけないのでしょうね。お客様の資産を守り増やして、ともにWin-Winになるのが理想ですね。
白波瀬氏――
そう思います。特に、私がいた収益不動産を扱うベンチャー企業は「新規営業新規営業」で、既存のお客様の保全・フォローができませんでした。会社員という立場ですと、どうしても会社に利益をもたらさないといけない。「なんのために仕事をしているんだろう…」という葛藤はしょっちゅうありました。
江上――
そんな葛藤があったからこそ、独立して今があるわけですね。白波瀬さんは、商品の販売はせず、フィー型でお客様に価値提供しているわけですが、具体的にはどのようなことをされているのでしょうか?
白波瀬氏――
現預金や不動産、保険、証券の把握と管理から行います。そして、将来どうしたいか。いつリタイアしたいのか。そのときまでに、どのくらいの資産を築きたいのか。どんなセカンドライフを送りたいのか。そんな将来の夢をお伺いし、プラインニングしていきます。そのプランを実現するためのソリューションを、さまざまなアライアンス先と協力しながらご提供していくのが私の仕事です。
今後は金融教育にも力を注いでいきたい
江上――
白波瀬さんは、今後力を入れたいことなどはあるのでしょうか?
白波瀬氏――
まずは、お客様の夢の実現に貢献し、ともに成功したいと考えています。資産形成によって、最近でいうFIRE(経済的自立)を達成して「今の仕事を続けても良いし、いつ辞めても大丈夫」な状態をつくることがまずは第一歩です。そして、先生がやりたいことができるようにコミットしていきたいと思います。
それと同時に、最近は大学で学生向けにパーソナルファイナンスの講座をさせていただいています。FPは教育事業であるとも言われていますから、教育分野でも貢献していけたらと思います。高校でも金融教育が開始され、日本の金融リテラシーはどんどん上がっていくはずです。独立系FPとして日々学ぶことを続け、お客様や日本社会に貢献していきたいですね。
—-白波瀬 勝之(しらはせ かつゆき)——-
独立系FPとして日本の「医」を支えたい
開業医に特化した、
独立系ファイナンシャルプランナー事務所
K’s Wealth Management
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