最初から失敗しようとして投資をする人はいませんが、多くの人が投資で失敗してしまいます。トレードのタイミングを誤って失敗してしまうこともありますが、詐欺あるいは詐欺的な案件に投資して失敗するケースも多いです。詐欺は、「意図的詐欺」と「結果的詐欺」に分類できます。どうすれば詐欺との遭遇を避けることができるのでしょうか。
意図的詐欺とは
意図的詐欺とは、はじめから相手を騙すつもりで戦略を考え、詐欺行為をすることです。
詐欺罪は、立証することが非常に難しい罪と言われています。そのため、そのことを知っている知能犯は、立証できないようにあらかじめ工夫しているはずです。ですから、詐欺罪の立証は余計に難しくなります。
暗号資産(仮想通貨)で2015~2017年頃に流行ったICOは、開発前の暗号資産(仮想通貨)に対して、計画書(ホワイトペーパー)で開発費用やマーケティング費用などを資金調達する手段です。2016~2017年のビットコインの価格高騰により、「儲け損ねたくない」と思った人たちがこぞってこのICOに投資をしました。そして、多くは塩漬けになったり、騙されたりしています。もちろんICOの成功事例がないわけではないですが、圧倒的に失敗事例の方が多いでしょう。
ICOの中には、はじめから意図的に投資家を騙そうとしていたプロジェクトも多くありました。暗号資産(仮想通貨)投資でなくても、海外不動産投資(ランドバンキング、タイムシェア、コンドミニアム、アパートなど)や海外預金(普通預金、定期預金)、FXなどでも同様です。インターネットやSNSに流れているような投資情報には、気をつけた方が良いでしょう。本当に良い情報だったら、不特定多数に流す必要もありません。広告料や紹介料などのコストが、価格に反映されているわけです。
結果的詐欺とは
一方、はじめから騙そうとは考えていなかったけど、やむを得ず詐欺行為になってしまった、という場合もあります。これを結果的詐欺と言います。
「本当に事業を順調に展開できていたけど、途中で失敗してしまった」というパターンです。キャッシュが回らなくなり、投資家への償還(返金)が遅れたりすることも結果的詐欺と言えるでしょう。
「騙された」と思うかどうかは投資家次第ですが、「音信不通になった」「レスポンスが悪くなった」「開き直った」などの不誠実な態度が表面化したら、結果的詐欺を疑って良いと思います。できる限り早く、元本を回収した方が賢明です。
このような結果的詐欺の場合は、事前に詐欺かどうかを判断することはほとんど不可能です。そのため、投資実行後も投資先の経営者などと連絡を取り合い、事業の状況を適宜把握する努力が必要になります。
どうすれば投資の失敗を回避できるのか
では、投資詐欺に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか。
一番シンプルな方法は、本末転倒ですが投資なんてしないことです。リターンを予測できない投資は投資というよりはギャンブルですから、ギャンブルはなくなっても良いと思えるお金=捨て銭でやるのが大原則だと思います。投資でも同じです。
投資したら信じて待つか(盲目的になってはいけませんが)、結果的詐欺に遭わないように投資先をウォッチ(見守り)し続けることです。そしてなによりも、投資先が成功するように応援することだと思います。
応援の仕方は、追加で投資することもそうですし、成功に近づけてくれるような人を紹介したり、自分のノウハウや知識を提供することも応援の方法の一つです。お金を入れることだけが投資ではありません。投資先とのつながりをつくったり、コミュニティを強化したり、ノウハウや知識を提供することも、私は投資の一つの形だと思います。
そうなってくると、単なる投資というよりは共同事業者のような取り組み方になります。それくらいのスタンスになれる投資先でなければ、そもそも投資しない方が良いのです。特に事業投資であれば尚更です。