先行きの見えにくいVUCAの時代。改めて知っておきたいのが、物事の原理原則や普遍的な真理です。過去の偉人たちや数々の事業・会社を立ち上げ、成功させてきた創業経営者たちの言葉には、そんな原理原則と真理がたくさん含まれています。ベストセラー作家としての顔も持つ江上治の数々の著書のなかから、「江上治が改めて伝えたいメッセージ」として抜粋してお伝えします。
江上治著『運命転換思考 一生かかっても身につけたい5つの「働き方」改革(経済界)』の内容を抜粋、一部編集しております。
夢を持つと運が良くなる理由
「目的思考」とは、すべてを目的から考えることです。まず目的があって、あらゆることが目的から始まります。すべて目的からの逆算で決まる、ということです。目的のないスタートはあり得ません。
たどり着く目的(何のために)があって、そのための目標(どうやって)を立てていく。
目的を考えるか、考えないかで、私たちは天と地ほども異なる世界に身を置くことになります。
目的思考は逆算型、トップダウン型の生き方です。鳥の眼で高く広く世界を捉え、日々やらなくてはならないこと、やるべきことを実行する。目的という至上命題から発して、自分の行動に落とし込む。そういった思考が重要です。
目的、ビジョンがあるから、日々忙しくても自信や楽しさが湧き上がってきます。それが、運を上げ、運を良くする好循環を生むわけです。
「こういう人間になりたい」
と、自分をずっと高みにイメージしてみてください。目標や手段を考えるのは、それからです。
スケジュールを埋めることで満足していないか
自分のスケジュール帳がびっしり埋まっていることに満足してはいけません。
私はある地銀の副頭取に、
「江上くん。毎日、何人にも会っていてはダメだよ。1日に3人以上に会ってはいけない。目の前にお客さんに集中しなさい」
と教えられたことがあります。目まぐるしく人に会っても、会う時間は短くなります。会う時間が短ければ、セールストークばかりになって印象はお互いに薄くなります。それでは、良い効果や成果は期待できないでしょう。
私は副頭取からいただいたアドバイスで、「会うのは1日2人だけ」と決めました。
会う人を絞り込むことで準備に時間を割くことができるようになり、提案資料は自然と詳細になります。
「何人に会う」という目標思考ではなく、「相手に貢献する」という目的思考。
自分はなにができるかを深く考えること。徹底的に、その人について考えること。まずは、目の前の人から幸せにしていくこと。そんな風に相手のことを考え、それに基づいて行動すれば、必ずファンが生まれます。これが、長く勝ち続ける秘訣なのです。