株式投資、FX、外貨定期預金、マンション投資、アパート投資、テナントビル投資、コインランドリー投資、ランドバンキング、海外不動産投資、暗号通貨(仮想通貨)投資、起業、M&A、フランチャイズ投資、海外進出、自己投資…数多ある投資や資産運用のなかで、人生をより豊かにしてくれる方法とは一体なんなのでしょうか? 本稿では、「人生100年時代」と言われる超長寿社会において大切な無形資産について解説します。
目次
日々豊かに過ごすために知っておきたい無形資産とは
無形資産は、海外でも注目されているキーワードのひとつです。
『無形資産が経済を支配する:資本のない資本主義の正体(ジョナサン・ハスケル+スティアン・ウェストレイク著、東洋経済新報社)』という本のなかで、無形資産の重要性について説かれています。
本のなかでは、無形資産の一例として
・スターバックスの店舗マニュアル
・アップルのデザインとソフトウェア
・コカ・コーラの製法とブランド
・マイクロソフトの研究開発と研修
・グーグルのアルゴリズム
・ウーバーの運転手ネットワーク
などが挙げられています。
企業で言えば、特許や著作権、商標権、企業文化、企業理念、パーパス、ビジョン、ミッション、技術、ノウハウ、経営管理プロセス、業務フローなどが無形資産でしょう。
また個人であれば、家族や友人、パートナー、人間関係、知識、スキル、健康、愛情、幸福感などが無形資産と言えるでしょう。
無形資産と対になる有形資産とは
無形資産に対して有形資産とは、その言葉のとおり形ある資産のことです。例えば、土地や建物、設備などが有形資産です。
会計においては、「有形固定資産」として
・建物
・建物附属設備
・構築物
・船舶
・航空機
・車両運搬具
・工具
・器具備品
・機械装置
などが該当します。本稿における有形資産は、会計上の有形固定資産よりも広い意味で、株の証券や保険証券、外貨、日本円、暗号通貨(仮想通貨)なども含みます。
かつては、これらの有形資産を増やすことが「豊かになること」でした。良いところに住み、マイホームを買う。高級車に乗る。良いものを食べる。高い服を着る。海外旅行に行く。貯金を殖やす。金融資産を殖やす。不動産資産を増やす…などの、ステレオタイプな豊かさです。
いま私たちは「価値観のゆらぎ」のなかにいる
無形資産と有形資産。あなたなら、どちらに魅力を感じるでしょうか?
「若い社員は、給与を上げても嬉しそうじゃない」
「ボーナスやインセンティブを支給しても、若者のモチベーションが上がらない」
「高い月給で求人を出しても、応募が少しもない」
経営者からは、そんな声も聞かれるようになりました。お金の優先順位が下がっていると感じる人も少なくないでしょう。
私たちはいま、価値観のゆらぎのなかにいます。「無形資産と有形資産」という二元論だけでは語り尽くせないのが人生ですが、世代や国・地域などによって価値観は異なります。
新型コロナの影響もあり、DXやリモートワークが当たり前の社会になりつつあります。働き方が変われば、自ずと生き方も変わるでしょう。
「遠隔で行えば良い業務(生産性や効率化を重視)」と、「直に会ってする仕事(創造性や充実感を重視)」の選別が進むことが考えられます。
生産性や効率化が重視される業務は、AIやRPA、ロボットによって、やがてはほぼ自動化されていくはずです。
これは、「仕事を奪われる」とネガティブに捉えているわけではなく、むしろポジティブに捉えることができるでしょう。AIもRPAもロボットもツールのひとつです。ワードやエクセル、パワーポイント、イラストレーター、ファイナルカットなどの数多くあるソフト同様、使いこなせば良いだけです。
一方で、創造性や充実感が重視される仕事は、今後も残り続ける仕事かもしれません。
AIやRPA、ロボットを使いこなせる人材になるか、創造性や充実感を提供できる人材になるか。仕事に優劣はありませんから、自分に合う働き方を選択すれば良いと思います。
無形資産は数字で測れない価値
創造性や充実感は、どちらも数値化しにくいものです。
総資産額のように数字で表せるものではなりませんが、無形資産を充実させる方が、人生の豊かさに直結するでしょう。そう考えると、有形資産にこだわるお金至上主義やGDP至上主義は時代遅れなのかもしれません。
「ニューヨークやシリコンバレーでは、ランチに数千円はかかる。シンガポールやタイも価格が上がっている。それに比べて日本はデフレで……」
という会話は、日本経済の危機感を煽るためによく使われる言い回しです。
日本の物価が相対的に安くなっているのは事実です。このままでは、今は新興国と呼ばれている国が経済成長して先進国になり、日本が新興国、あるいは衰退途上国になるのではなかろうかと感じることもあります。
ですが、海外の一部の経済力の差と日本経済の衰退を憂いていても何にもなりません。前述のお金至上主義やGDP至上主義のような、時代遅れな捉え方でしょう。
お金という単一の尺度で、人や国、企業に序列をつけて、その結果に一喜一憂しても価値がありません。日本はすでに成長社会を脱し、ポストモダン、成熟社会にシフトしています。時代が違うのに、高度成長時代の尺度で測っても意味がないのです。
これからの時代は、功徳を積んで評価資産という無形資産を充実させた方が、結果的に良質な時間やモノを手にしやすいでしょう。
信頼貯金が失われない価値になる
「この人は信頼できる」
「この人と一緒に仕事がしたい」
「この人と時間や空間を共有したい」
重要なのは、相手にそう思ってもらえるかどうかです。
では、どうすればそんな人間になれるのでしょうか?
その答えはシンプルで、目の前の人やことを大切にし、真摯に誠実に対応することです。日本人は本来的にこの精神を持っており、その精神は道徳という言葉で表せるかもしれません。
運命を変えるために、人生100年時代を生き抜くために、健康、スキルや知識、友人、パートナー、家族といった無形資産を見つめ直そう
運命転換思考(江上治 著、経済界)