「コンサルタント」を名乗る人は、世の中にたくさん存在しています。資格が必要なコンサルタントもいれば、そうでないコンサルタントもいます。資格の有無にかかわらず、結局は経営者に必要とされる存在になれなければ、コンサルタントの仕事を継続することは難しいでしょう。必要とされるコンサルタントと捨てられるコンサルタントには、どのような違いがあるのでしょうか。
コンサルタントの事業領域と平均年収
コンサルタントと一言にいっても、実に幅広い事業領域があります。例えば、
・経営(経営管理)
・経営戦略の立案
・人事、労務、人材採用、人材定着
・業務の効率化
・財務、資金繰り
・商品、サービス開発
・海外進出
・M&A
・事業承継、相続
・投資
・コスト削減
など、挙げればキリがありません。
多くのコンサルタントは、自身の経験や専門知識を活かせる領域のコンサルティングをしています。実績がある人でないと、会社や経営者の方もコンサルティングを依頼しませんよね。
では、コンサルタントの仕事に就いている人の平均年収はどれくらいなのでしょうか。2018年のグローバルウェイ者の調べによると、
1位 アクセンチュア 平均年収850万円
2位 デトロイトトーマツコンサルティング 平均年収844万円
3位 プライスウォーターハウスクーパース 平均年収807万円
4位 野村総合研究所 平均年収804万円
5位 日本アイ・ビー・エム 平均年収753万円
出典:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1810/23/news098.html
とあります。これは雇われているコンサルタントの平均年収ですので、独立している方はもっと高い年収の方もいらっしゃるでしょう。一人で2000~3000万円、なかには5000万円以上の方も私の周りにはいらっしゃいます。
コンサルタントを名乗る「提案型営業」には要注意
稼ぐことのできているコンサルタントの多くは、経営者から必要とされています。必要とされていなければ、高いコンサルティング費用を払ってもらえません。人を騙し、搾取しているような人もなかにはいるかもしれませんが、そんな対応をしていたら信頼関係は長続きしないでしょう。
コンサルティングを依頼するときに注意しないといけないのは、その人が本当にコンサルタントなのか、それとも提案型営業なのかという点です。
本稿では、コンサルタントの定義を「経営者や会社の未来に貢献できる人で、かつ具体的なソリューションを提供できる人」とします。一方、提案型営業は「さまざまなことを提案して、自分のメリット(収入)になる方に誘導しようとする人」のことです。
「節税」「海外進出」「コスト削減」「ブランディング」「M&A」など、コンサルタントの方はたくさんのことを提案してくるでしょう。しかし、本当に会社のためを思って提案してくれているのか、自分に都合の良いポジショントークをしているのかを見極める必要があります。
「アパートを建てて節税しましょう」
「売上を伸ばすために海外進出しましょう」
「ブランディングのために本を出しましょう」
「M&Aでシナジーを狙いましょう」
いずれもビジョンを実現する、経営計画を実行するうえで必要なことなのかもしれませんが、そのタイミングが今なのか、本当にやらなければいけないことなのかを判断するのは、多くの場合、経営者自身です。少なくとも、メリットばかりでデメリットやリスクの説明をしない人は、あまり信用しない方が賢明でしょう。リスクに対する対策まで考えてくれる人であれば、まだ信用できそうです。
自分がコンサルタントになる場合は、上記のようなことに注意して、信用資産を貯めていくのが良いと思います。
上から目線は当然嫌われる
コンサルタントや専門家、士業の多くは「先生」と普段から呼ばれることがあります。私の父もコンサルタントで専門家で士業だったのですが、先生と呼ばれることは多いと言っていました。また、「普段から先生先生と呼ばれるから、大したことをしていないのに自分が優秀だと勘違いする人も多い」とも話していました。
先生と呼ばれると、どうしても上下関係のような形になってしまいます。しかし、本来的に仕事に上下関係というものはないですし、対等な関係です。お互い様なのです。
それを勘違いして、上から目線で提案したりすれば、当然ですが相手に嫌われてしまいます。「俺の言うことを聞け」と言われて、気分の良い人はいないでしょう。それよりも、本音や本心を引き出し、まだ知らない領域の話を具体的にしてくれる人の方が、この人に相談したいと思われるのではないでしょうか。