先行きの見えにくいVUCAの時代。改めて知っておきたいのが、物事の原理原則や普遍的な真理です。過去の偉人たちや数々の事業・会社を立ち上げ、成功させてきた創業経営者たちの言葉には、そんな原理原則と真理がたくさん含まれています。ベストセラー作家としての顔も持つ江上治の数々の著書のなかから、「江上治が改めて伝えたいメッセージ」として抜粋してお伝えします。
投資や資産運用の情報に翻弄されてはいけない
「人生100年時代の老後資産は1億円が必要!」
そんな見出しが、投資・資産運用の特集や財テクの紹介で見かけるようになりました。やはり不景気になればなるほど、お金の特集は多くなります。
こんな影響もあってか、「老後資金は1億必要!」という情報に踊らされ、「老後資金が全く足りない!」となり、慌てて資産運用の相談にくる人もいます。
真面目に働き、それなりに貯金していたら、40代〜50代の人は貯金で1000万円くらい持っている人はいるのではないでしょうか。
その貯金を老後資産1億円に化けさせるにはどうすれば良いのかと考えるわけですが、わずかな期間で1000万円が10倍になる資産運用はほとんど存在しません。
あるとしたら詐欺か、あるいはたまたまラッキーで成功しただけ。再現性はないでしょう。
低リスクの資産運用では、資産はそんなに増えません。反対に高リスクなものだとしても、あなたはそのリスクをどう努力したって回避できないのです。
一番確実なのは「働く」ことです。これならリスク分散もでき、コントロールできます。
長く、幸せに働き続けるには今どうすれば良いのか?
投資や資産運用情報に翻弄される前に考えるべきはこれなのです。
「人間」を作り上げる絶好の場が職場
あなたの職場にも、いろいろな人がいるでしょう。
一緒に仕事をしたいと思う上司、はたまた、関わりたくない上司。気が利く部下や、なにを考えているのかわからない部下。
ある会社では、中堅社員20名程に「この人となら一緒に仕事ができる、いい上司」だと思った人の特徴を書き出してもらい、さらに「この人とは一緒に仕事をしたくない上司」と思った人の特徴も書き出してもらったそうです。
するとその結果は、見事にバラバラだったといいます。
つまり、だれにとっても良い上司、悪い上司というパターンはなく、自分に100%向いている上司や部下に出会える確率は極めて低いと考えた方が良い、ということ。
そもそも組織とは、行動するのに1つの目標があり、それに向かって役割を分担しその一人一人がプロであることを求められるのです。
感情に甘えてもいけないし、気分に流されてもいけないように、自分の気分、人の気分、好みは仕事に持ち込むことは許されず、より良い成果を生み出すためにも全身全霊で仕事に集中することで、「人間」を作り上げる絶好の場が、職場なのです。
シンプルなのに人間関係というのはよくこじれる
営業にかかわらず、ビジネスや夫婦関係も相手の立場になって思考できれば百戦殆うからず。
営業マンとお客様、上司と部下、夫と妻、不満の改善の一歩は相手の立場に立つことです。
こんなにシンプルなのに、人間関係というのはよくこじれるものです。
その原因は感情。
怒りやプライド、恥などを根底に感情のままに相手に伝えたり、また自分自身をわかってほしいというエゴもあります。
実に稼ぐ営業マンというのは自分自身を消すことが得意です。
相手にとことん投入し、その人を満たすことができる。これは販売の技術やノウハウという
陳腐なテクニック論を超えた人としての「徳」を積むことです。
人間力を高める努力こそが、稼ぐ営業マンに近づくことができる努力。
人生を変える営業の景色を、ぜひあなたにも見てほしいと思います。