先行きの見えにくいVUCAの時代。改めて知っておきたいのが、物事の原理原則や普遍的な真理です。過去の偉人たちや数々の事業・会社を立ち上げ、成功させてきた創業経営者たちの言葉には、そんな原理原則と真理がたくさん含まれています。ベストセラー作家としての顔も持つ江上治の数々の著書のなかから、「江上治が改めて伝えたいメッセージ」として抜粋してお伝えします。
江上治著『一生かかっても知り得ない 年収1億円人生計画(経済界)』の内容を抜粋、一部編集しております。
人生の3つの分岐点
今から10年前の2012年に出版した『一生かかっても知り得ない 年収1億円人生計画』では、人生の3つの分岐点を定義しました。
「第一次」人生計画:0歳から社会に出るまで
「第二次」人生計画:社会に出てから年収2000万円になるまで
「第三次」人生計画:年収2000万円から年収1億円へ
だれか・なにかの奴隷に徹すれば、年収2000万円まではいくのですが、2000万円の壁があります。この壁を突破し、年収1億円の領域に入った方々のメンタリティーや価値観(欲の持ち方)から、そうなるための戦略を考えるのが有効でしょう。
子ども時代に「自分でなにを選択したか」
年収1億円の領域に入り、自由を得る手前には「自立」があります。自立は、年齢では計ることができません。自立への手がかりを小学生でつかむ人もいれば、30歳、40歳でも自立できない人もいるからです。自立できなければ、自由は夢のまた夢です。
生まれたばかりの頃は、親や周囲に依存し、親や周囲からなにかを吸収することになります。やがて学校にあがれば、教師や先輩から吸収します。社会に出れば、上司や先輩、取引先、環境から吸収することになるでしょう。なにを吸収したかによって、価値観、生きる基準値が決まってきます。だから吸収が、人間の自立にとって極めて重要になるのです。
子どもは、教育や環境によって基準値を形づくります。基準値とは、言い換えれば「行動を起こす動機」です。つまりは、欲望や好奇心。これらが原動力となり、人生を動かしていきます。
幼いうちは、自分でなにかを選択する機会は少ないわけですが、年齢を重ねるほどに選択の機会は増えていきます。そのとき「自分でなにを選択したか」が重要です。判断や決断を人任せにすることが染みついてしまうと、そのままだれか・なにかに依存し続けることになります。
そうなると、日々なにかを判断・決断しなければいけない経営者にはなれないでしょう。そして、年収1億円を会社員で達成する人は極めて稀な存在です。年収1億円という自由を目指すなら、事業を始めるしかないのです。