先行きの見えにくいVUCAの時代。改めて知っておきたいのが、物事の原理原則や普遍的な真理です。過去の偉人たちや数々の事業・会社を立ち上げ、成功させてきた創業経営者たちの言葉には、そんな原理原則と真理がたくさん含まれています。ベストセラー作家としての顔も持つ江上治の数々の著書のなかから、「江上治が改めて伝えたいメッセージ」として抜粋してお伝えします。
江上治著『一生かかっても知り得ない 年収1億円人生計画(経済界)』の内容を抜粋、一部編集しております。
「投資思考」で年収1億円
とてつもなく稼ぐ年収1億円というレベルに達するには、会社員ではムリでしょう。
私のクライアントで言っても、年収1億円の会社員は皆無。
基本的に、とてつもなく稼ぐ人はみなさん事業家です。
ですが、どんな人であっても、いきなりその地位に飛びついたわけではありません。奴隷の時代を経て、自立のチャンスを経て、年収の階梯を一歩一歩登って行ったのです。会社員を経験している人も大部分です。
そのため、年収1億円人生計画には中間の通過地点を設ける必要があるでしょう。通過地点は、あとひと踏ん張りで到達できる地点でなくてはいけません。年収1億円を目指すのであれば、例えば年収2000万円が通過地点になります。
民間企業の給与で年収1500万円から2000万円の人は、男性では社会人の1.1%、女性では0.14%という過去の統計があります。年収2000万円から2500万円となれば、男性は0.58%、女性は0.08%となり、会社員の平均年収は平成9年を境に減少傾向にあります。
年収2000万円あれば、生活的には満足でしょう。社会的な地位もある人が多いといえます。それだけ稼げていれば、何らかの自分の強みを社会に発揮できているということです。
ただし、まだまだ「自分を満足させるだけで精一杯」ともいえます。稼いだお金は、自分が使うために向かうだけでしょう。ここに留まると、予算思考で終わることになります。年収1億円に到達するためには、「投資思考」が必要不可欠です。
「なんとなく」で年収1億円を稼ぐ人はいない
年収2000万円を稼げなければ、年収1億円には到底到達できないでしょう。なぜ、本当に稼げる人間になり得ないのでしょうか?それは、以下の理由があります。
・自ら選択することを放棄して、他人に人生をゆだねている
・振り返りを軽視して、過去の人生の振り返りをしていない
他人に人生をゆだねているのは、行動の判断基準を持っていないという状態です。私がセミナーなどで経営者としての目標を尋ねると、「みんなのお役に立ちたい」「社会貢献したい」など、曖昧な回答をする人がいます。曖昧ではダメです。具体的な言葉、実際的な言葉で語れないといけないでしょう。
やり遂げる意志がないと、とても目標には達成できないからです。やり遂げる意志=稼ぐ動機でもあります。とてつもなく稼ぐ人は、強い動機を持ち、それを長く続けています。
また、人の生き方は、過去・現在・未来の連続のなかにあります。いちばん確実な時間・経験は、すでに通り過ぎた過去です。現在と未来は、まだ不確実なものです。過去を振り返り、現状分析と自分分析をして、現在や未来に活かすのです。
大きな成功をおさめている創業経営者には、「やりたいからやる」というタイプの人が多いといえます。一度のチャレンジでうまくいく人もいれば、何度かのチャレンジを経てうまくいく人もいます。要は、やり続けられるかどうかです。